食欲の秋到来!

  • つゆ草に丸く輝く露がつきはじめ、朝の空気がひんやりと包まれる頃になりました。

    私の家族は秋生まれが多く、特別な思いがありますので秋の味覚に感謝しながらハレの日のごちそうを作ります。
    その中でもよく作るのが田楽料理です。

    田楽とは、平安時代より行われている、田植えの前に豊作を祈る舞楽(歌や踊りを行う事)の一種です。
    田楽焼きとは、竹串に通した豆腐などに練り味噌を塗って焼いた料理のことで、料理の姿が棒に乗って演じられる田楽を舞う姿に似ていることが名前の由来とされています。
    さらに田楽に“お”をつけて“お田楽”となり“おでん”となって今の煮込み式のおでんになりました。

    田楽焼きは主に2種類あり、野菜田楽や魚田などがあります。
    野菜田楽では豆腐、芋、なす、椎茸、れんこん、こんにゃくなどが使われ、魚田ではアユ、ヤマメ、サケなどが使われます。
    また、変わり種で麩やご飯(五平餅)、チーズ、かまぼこ、南瓜、玉葱、アボカドなどを使っても美味しいです。
    食材によって味噌の種類を変えると、より美味しく楽しめます。

    田楽料理につける味噌は、甘味噌・辛味噌の2種類を作り置きしておくと保存も効き、他の料理(炒めもの・鍋物・和え物)にも利用することができます。
    基本は味噌にみりんと酒をお好みの量入れて練りあげます。
    追加で季節の薬味を入れても美味しいです。
    今はグリルやオーブントースターでも簡単に作ることができますので是非お試しください。
    五穀豊穣を願う日本の伝統芸能と全国で親しく食べられている郷土料理の“田楽”。
    旬の食材の味を味噌が優しく引き出してくれます。
    今年は月を愛でながら、田楽料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。