知恵を食べる

  • 今の日本ほど食べ物があふれている国はないでしょう。
    確かに手軽で見た目もよく、便利な食べ物が多くなりました。
    その反面、年間約2千万トンの食品廃棄物が排出されており、“モッタイナイ”という言葉が世界中で叫ばれ、フードバンクによる活動が盛んになっています。
    これらをみると、昔より食事が粗末で“命をいただく”思いが薄れているように感じます。“人”に“良”と書いて“食”。
    もともと人を良くするのが食なのです。
    では何を食べればいいの?と難しく考える必要はありません。
    おじいちゃん、おばあちゃん、その昔のご先祖様も代々大切に食べてきたものがあります。
    今回は代々受け継いだ健康食材をご紹介します。

    ①ごま
    お坊さんたちの代表食材ですね。
    お坊さんは肉や魚を一切食べない精進料理を食べてきました。厳しい修行に耐えられたのは、ごまパワーのおかげです。一休さんは88歳まで元気に暮らしました。
    注目されるのは、ごま特有成分であるセサミノールという成分で、体の中の活性酸素を退治してくれる他、昔の医学書には6つの効能があると書かれています。

    ② 大豆
    日本史上最高の出世男である豊臣秀吉。
    秀吉は幼いころから味噌汁が大好物でした。尾張地方の味噌は豆みそで大豆100%の味噌です。
    大豆にはレシチンという栄養素があり、脳の若さを保ち記憶力の減退を防ぎます。
    まさに21世紀の“頭脳食品”です。

    ③ 魚
    源氏物語を書いた紫式部はいわしが大好物でした。
    青魚に含まれる魚油はDHAといって、脳の情報の伝達をなめらかにする働きをします。
    そのほか、季節の野菜や山菜、海藻など、海に囲まれた日本は海の幸、山の幸に加え、四季折々の食材のおかげで食生活が豊かでした。
    誰もが知っている食材であっても、受け継がれた食材が日本人の身体に合っていますので、週に3回以上はそんな食材を使った和食(ご飯と味噌汁のセット)をおすすめします。