みそまるファーム産大豆で味噌仕込みin神州一味噌発祥の「丸高蔵」

みそまるファーム産大豆で味噌仕込みin神州一味噌発祥の「丸高蔵」

味噌にだしと具材を入れて丸めるだけの「みそまる」ですが、味噌の種類や具材のバリエーションなど、とにかく奥が深い! 
これまで500回以上のイベントを開催し、多くの味噌を丸めてきましたが、昨年、“究極のみそまる”を求め、農薬不使用で大豆を育てるプロジェクトを始動しました。

舞台に選んだのは、日照時間日本一で大豆や野菜を栽培するには最適とされる山梨県北杜市の農場です。

春先から水路の確保や耕うんなど畑の整備を始め、種付け、害獣対策、雑草取りなど、すべて手作業で行いました。約1反近くある畑の管理は想像を超える作業量で、中でも雑草取りは過酷! 炎天下の作業は忍耐力との闘いで、大豆を守るために畑に這いつくばりながらスタッフ皆で草を刈りました。おかげで、いもむしやミミズとも仲良しに(笑)

台風や大雨などの災害もあり、予定より収穫量は少なくなってしまったものの、無事に大豆を収穫することができました。ここまで育ってくれたことに感謝、感謝。

そして、いよいよ味噌を仕込む日がやってきました。
大豆に夢を詰め込み向かったのは、上諏訪にある、神州一味噌発祥の蔵「丸高蔵」です。信州諏訪は、澄んだ空気にきれいな水、寒暖の差の激しい気候など、味噌づくりに最適な場所で、いわずと知れた味噌のメッカです。

大正時代に建設された「丸高蔵」は、登録有形文化財にも登録されている格式高い蔵で、清酒「真澄」を醸造していた十九代伊兵衞さんの「健康に良いお味噌を醸造するように」との命により、この地で味噌の醸造を始めたのだとか。

今回、味噌仕込みにご協力いただいた味噌職人の皆さんです。
左から、兼時健人さん、金森明さん、矢島新吾さん、進藤裕二さん。

大豆をよく洗い一晩水に浸けたあと、加圧しながら一気に蒸していきます。
金森工場長の「煮上がり良好◎」のお言葉に、ほっと胸をなでおろしつつ味見をしてみると、ホクホク柔らかくて甘い! まるで栗のような味わいで、このままずっと食べていたい!と思うほどのおいしさ。笑 「味噌豆は七里帰っても食え」ということわざがありますが、自分たちで育てた大豆なので、おいしさも倍増です。

蒸し大豆を少し冷ましてから、機械でつぶし、ミンチ状にしていきます。

お次は、大豆、米麹(長野県産コシヒカリ)、塩(石垣の塩)を混ぜて機械で撹拌します。このときに、水分調節のための「種水」に「酵母菌」を溶かして入れました。
酵母菌は味噌らしい香りを生み出してくれる菌で、添加することで、より香り高い味噌ができるとのこと。

ちなみに、自宅で味噌を仕込む場合は、味噌用の酵母菌は手に入れにくいので、代わりに「種味噌」(加熱をしていない無添加の生味噌)を少し入れるといいそうですよ。

最後に、空気が入らないように、踏み込みながら木桶に味噌を詰めていきます。
足にねっとり味噌がついて結構ハードでしたが、大事な味噌にカビが出てしまっては大変! 
おいしい味噌の出来上がりをイメージして、がんばりました。

味噌職人の皆さんの見事な連携プレーで、あっという間に約100kgの仕込みが完了。
このあと、1年ほど丸高蔵で発酵熟成させる予定です。
空気もきれいなこの地で、味噌も心地よく熟成できることでしょう。
味噌を丸められる日が待ち遠しいです。

昼食は、併設の食事処、みそ茶屋「千の水」で「丸高御膳(小付/主菜/小鉢/ご飯/お漬物/季節のお味噌汁)」をいただきました。旬の野菜やきのこをふんだんに使ったボリューム満点のランチで、木のぬくもりを感じる店内でいただく時間は、贅沢なひとときです。売店には、味噌や漬物、味噌スイーツなど、お土産にぴったりなアイテムがズラリと並んでいます。諏訪にでかける際は、ぜひ、「丸高蔵」に立ち寄ってみてくださいね。

【丸高蔵(お食事処&ショップ「千の水」)】
長野県諏訪市高島1丁目8-30
TEL0266-52-4033
https://www.suwa-marutaka.jp/

末筆となりますが、2年半にわたり当サイトで連載させていただいたミソガールのコラムは、今回で最終回となります。ご愛読くださった皆様に、心より感謝申し上げます。
これからも変わらず味噌の魅力を全力で伝えていきますので、引き続き、よろしくお願いいたします。