みそと言伝え

  • 味噌は、江戸時代の医学でもすばらしい食材として重要視されています。元禄8年(1695年)に著された『本朝食鑑』という本があります。
    これは庶民の日常食品について医学的な見地からよし悪しを解説した本です。 「腹中をくつろげ、血を活かし、百薬の毒を排出する。胃に入って、消化を助け、元気を運び、血の巡りを良くする。痛みを鎮めて、よく食欲をひきだしてくれる。嘔吐をおさえ、腹下しを止める。また髪を黒くし、皮膚を潤す」
    味噌は体を温め、気分や心をゆったりとさせて血行をよくし、酒毒を解消するといった大豆の機能に加え、便通をよくし、元気を出し、血をつくり、血のめぐりをよくする力もある、と解説されています。

    また、塩分と相まって悪血をおさめ、体を丈夫にし、体毒を消し、血圧を低くし、体をつやつやさせ、痛みを止め、吹き出物などが出るのを防ぎ、食欲をそそらせるといった効果もあるとされています。 味噌の力には、昔の医学の専門家も注目していたのです。

    広島大学名誉教授 渡邊敦光先生著書 『味噌力』(かんき出版) からご紹介

ことわざ

  • ・みそ汁一杯三里の力

    ・みそ汁は朝の毒消し

    ・みそ汁は医者殺し

    ・みそ汁は不老長寿の薬

    ・みそ汁はたばこのずをおろす(ず=毒、害)

    ・味噌で飲む一杯、酒に毒はなし

  • 昔から「タバコ好きにはみそ汁」などと言い伝えられてきました。
    江戸時代、ヤニでつまったキセルの掃除にみそ汁が役立ったことからこのような言い伝えができたのでしょう。
    ヤニでつまったキセルに煮立ったみそ汁を流し込むときれいにヤニがとれますが、お湯や水ではきれいになりません。
    またみそ汁に含まれるビタミンB群にはタバコの有害分を取り除いてのどを守る作用があると考えられています。

    こんなことから「味噌は医者要らず」といわれたのでしょう。庶民が暮らしの中で感覚的にとらえてきたことを、現代の科学が一つずつ解き明かし、先人の知恵と味噌の効能のすばらしさが知らされつつあります。

    また、味噌には味の素、命の素、美の素が含まれているという意味の「味噌の三礎」ということわざもあり、こんなにすごい効用のある食品は、他にはみあたりません。

    みそ健康づくり委員会「みそを知る」第3版2011年