中央情報専門学校でみそ授業”第2のお母さんの味”になってくれたらいいな!

第2のお母さんの味になってくれたらいいな!

一昨年から、中央情報専門学校で定期的にみその授業を担当させていただいています。私が教壇に立つなんて、学生時代の先生が聞いたら腰を抜かすかもしれません(笑)。毎回90分×2クラスの講義をこなすのは、新米先生にとっては大変! でも、一生懸命聞いてくれる学生たちのためにも、毎回気合いを入れて臨んでいます。

学生さんは、中国、ベトナム、ミャンマーなどからの留学生で、卒業後は日本で飲食関係の仕事に就いたり、母国で日本食レストランを経営することを希望しています。「英語も話せないのに大丈夫?」と心配されますが、優秀な学生さんたちで日本語が上手です。余談ですが、私は、「アイアム ミソガール」「ディス イズ ミソ」「アイ ラブ ミソ」しか言えません(泣)。

昨年は、神州一味噌の宮坂勇一郎社長が、グローバルな視点で特別授業をしてくださいました。みその基本や科学、歴史…、そして、世界各国でみそが注目されている話を聞き、皆、みそのイメージが随分変わったようです。

このクラスでは、「和」をテーマに学ぶため、だしやしょうゆの授業もあります。でも、先生からは、知識だけではなく、私がみその普及活動に奮闘する姿も等身大で伝えてほしいといわれています。なぜなら「夢を描いてほしいから」と。
 「ミソガールとしてみその魅力を伝えたい」と立候補してくれた学生もいます。クラスから、たくさんの“みそ伝道師”が誕生してくれたらいいなと思います。

授業では、みそまる作りの実習や、利きみそ、試食など、なるべく体験をしてもらおうと考えています。最初は恐る恐るみそに触っていた学生も、今では、みそまる作りはおてのもの。「みそが苦手」と言っていた学生たちも、「何度か食べていくうちに好きになった!」「家で作るようになった」など、うれしい感想が次々と寄せられました。

が、みそになじみのない彼らの舌をうならせるのは、なかなか難しい。私が自信満々でおすすめした、野菜とチーズのみそ漬けは、「辛すぎる!」と大不評。
一方で、学生たちに大人気だったのが、千葉が誇る郷土料理「落花生みそ」(ピーナッツみそ)。ご存じの通り、炒った落花生にみそや砂糖などの調味料を混ぜ合わせ練り上げた「おかずみそ」の代表格。落花生の香ばしさと、甘じょっぱいみその風味は、誰もが認める名コンビです。

ようやく、彼らのハートに届いた様子。以来、「センセー今日ピーナッツみそは?」とよく聞かれます。味の好みは違っても、やっぱり「おいしい」は世界共通。「百聞は“一食”に如かず」と、改めて実感しました。

学生たちに、「お母さんの味」を尋ねてみると、中国の学生たちは皆「麻婆豆腐!」と口をそろえます。日本では、「お母さん」を想いながら自炊しているそうです。
東南アジア・東アジアでは、魚を発酵させた「魚醤」や大豆などを用いた「穀醤」が調味料となり、長い歴史とともに親しまれてきました。みそは日本独自の調味料ですが、ルーツは同じ「醤」。麻婆豆腐のように、みそ汁が彼らの“第2のお母さんの味”になってもらえるよう、これからも奮闘します!