みそを使った保存食

少しずつ日が暮れるのが早くなり、12月22日には冬至を迎えますが、1年で最も昼が短く夜が長い日になります。
これからの厳しい寒さを乗り切るために、味噌や酒かすを入れたお粥を食べて体を芯から温めたり、栄養価値の高い南瓜を食べてゆず湯に浸かり無病息災を祈ります。
また、国内の気候条件に合った穀物で地域の伝統を踏まえた味噌を作り始める頃になります。

味噌はみそ汁のほかにも楽しみ方が沢山あります。例えば皆様馴染みのある味噌漬けです。
肉や魚はもちろん、卵黄や豆腐の味噌漬けも美味しいものです。

私は野菜の味噌漬けが好きで、好みの野菜を下漬け(塩で野菜の水分を出すこと)してからガーゼか晒しの布巾に包んで味噌床に漬けます。幼少期に味噌屋さんへおつかいに行かされていたのですが、その際に味噌を受け取ると必ず大根の味噌漬けをもらいました。あの深くべっ甲色に染まった大根の美味しさは今でも忘れられません。
また、練り味噌もバリエーション豊かです。
ゆず味噌、ごま味噌、くるみ味噌、薬味味噌などを茹でたこんにゃく、里芋、ふろふき大根、炊き立てご飯のお供にと万能調味料です。

 味噌漬けにすることで保存性が高まるばかりでなく、味噌の発酵力により肉や魚のたんぱく質が分解されて旨味が増して消化吸収が高まり、野菜に付いている乳酸菌などが発酵することにより独特の風味を醸し出します。

野菜の食物繊維と乳酸菌を一緒にとると乳酸菌の働きが活発になり、お腹の調子を整えたり、コレステロールの上昇を防いだり、免疫力がアップしたりして生活習慣病予防になります。

最後に年末年始はお酒を口にする機会が多くなります。食後や翌朝に熱いみそ汁を飲むと体の中のアルコールの残りが少なく胃がスッキリします。

正しい食の組み合わせで、よい年をお迎えください。

改めましてコラムをご高覧下さいまして御礼申し上げます。