アルカリ性食品と酸性食品
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からだが酸性に傾く最も大きな原因は、食生活の偏りです。食べ物にも酸性食品とアルカリ性食品があります。酸性食品ばかり食べ続けると、当然からだは酸性化します。
だからといって、酸性食品を食べてはいけないわけではありません。なにしろ主食の米そのものが酸性食品なのですから、食べないわけに行きません。要はバランスなのです。ご飯を食べるときには必ずアルカリ性食品の味噌汁を組合すように。
それでは、酸性食品とアルカリ性食品とを詳しく見てみましょう。
レモンや梅干は酸っぱいから酸性だと、勘違いされている人をときおり見かけます。果汁そのもののpHや味によって、酸性食品かアルカリ性食品かを区別するわけではありません。決め手になるのはミネラルの比率です。ミネラルには、カルシウム、鉄、マグネシウム、ナトリウムなど、体内に入るとアルカリ性を示すものと、リンやイオウ、塩素のように酸性をしめすものとがあります。
このうち特に大きな影響を与えるのは、カルシウムとリンの比率です。リンはカルシウムに次いで体内に多く含まれているミネラルです。カルシウムと結合して骨や歯を作り、細胞膜の原料にもなります。
このように、リンにも重要な働きがあり、不可欠の栄養素です。しかし、肉や魚に多く含まれており、食品添加物としても多用されているので、摂取不足の心配はほとんどありません。むしろ過剰摂取が問題となっています。
アルカリ性食品とは、カルシウムとリンの比率がちょうどよいものを言います。理想は1対1ですが、1対4まではアルカリ性食品とされています。リンの比率がそれより高いものが酸性食品です。野菜はほとんどアルカリ性食品です。健康を保つために、積極的に取りたいものです。
ところが、日本人の1日あたりの野菜の摂取量の平均値は、290gしかありません。目標は350gです。その3分の1を緑黄色野菜で取るようにしましょう。
海藻類も日本人にはなじみの深い食べ物ですが、アルカリ度抜群です。昆布やカツオ節でだしをとった味噌汁にワカメは定番ですね。代表的なアルカリ性食品です。この他、鉄やカリウム、マグネシウム、マンガンなどのミネラル、ビタミン、水溶性食物繊維も豊富です。
是非、たくさんの野菜や海藻が入ったお味噌汁を飲みましょう。
野菜、果物のカルシウムとリンの比率表
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食品名 カルシウム リン 比率(約) アスパラガス 19 60 1:3 キャベツ 43 27 2:1 キュウリ 26 36 1:1 ごぼう 46 62 1:1 小松菜 170 45 4:1 春菊 120 44 3:1 大根 24 18 1:1 大根葉 260 52 5:1 タケノコ 16 62 1:4 玉ねぎ 21 33 1:1.5 とうもろこし 3 100 1:33 トマト 7 26 1:4 ナス 18 30 1:2 ニラ 48 31 2:1 にんじん 28 25 1:1 ネギ 31 26 1:1 白菜 43 33 1:1 ピーマン 11 22 1:2 サツマイモ 40 46 1:1 ジャガイモ 3 40 1:3 コンニャク 70 10 7:1 いちご 17 31 1:2 梅 12 14 1:1 梅干 65 21 3:1 オレンジ 24 22 1:1 柿 9 14 1:2 干し柿 27 62 1:2 キウイ 33 32 1:1 さくらんぼ 13 17 1:1 スイカ 4 8 1:2 梨 2 11 1:6 パイナップル 10 9 1:1 バナナ 6 27 1:5 ブドウ 22 3 7:1 ブルーベリー 8 9 1:1 メロン 6 13 1:2 桃 4 18 1:4 リンゴ 3 10 1:3 レモン(果汁) 7 9 1:1 可食部100gあたり 単位;mg
根本悦子先生 著「改訂版 食のとっても大切なお話 あなたに贈る食ものがたり」より抜粋