古代の「味噌灸」を再現!

古代の「味噌灸」を再現!

古代の「味噌灸」を再現!

「ジャパン味噌プレス」(月刊5万部)という、日本で唯一の味噌専門紙を発行しています。毎号、さまざまな方を取材させていただき、新聞という形になって多くの方に届けられるのは、とてもうれしいことです。
が、編集にはどうしても時間がかかってしまうため、パソコン仕事が長くなりがち。もともと首コリはありますが、先日、まさかのぎっくり腰ならぬ「ぎっくり首」に…。笑
整体で応急処置をしてもらい、だいぶよくなったものの完治には少し時間がかかるとのこと。
そこで、自然治癒力を高めるため「味噌灸」の力を借りています。

「お灸」とは、ご存じの通り、温熱でツボを刺激し血行をよくすることで、全身のバランスを整え、疲労回復や筋肉のコリをほぐす、胃腸の働きを活発にするなどさまざまな症状を緩和するナチュラル療法。
乾燥肌やむくみ、たるみを抑止するなど、女性にうれしい効果もいっぱいあるとか。
仏教と共に日本に伝わったお灸は江戸時代に本格的に流行して以来、民間療法として人々に愛用されてきました。
が、ひとくちに「お灸」といっても、その据え方はさまざまで、身近にある味噌やにんにく、しょうが、ビワの葉、くるみなどの上にもぐさをのせてお灸をすることも多かったそうです。

『まるごと お灸百科』(医道の日本社)によると、「味噌灸」は、「和紙の上に味噌をのせ、その上にもぐさをのせて温める」「味噌を同量の小麦粉と混ぜ合わせて円形か楕円形に盛り、その上にもぐさをおいて燃焼させる」「ガーゼに味噌を塗りつけて、その上にもぐさをのせる」とありました。

普段は手軽にできる市販の「味噌灸」を使いますが、せっかくなので本物の味噌を使用した「味噌灸」に挑戦。昨年仕込んだ味噌に小麦粉を混ぜて、いよいよ着火。
じわわ~んと、味噌の感触がなんともいえない心地よさ! 使い終わった味噌は、入浴剤として活用させていただきました。
物が豊かでなかった時代でも、知恵を絞り、身近にあるものを有効活用していたのだと思うと頭が下がります。

西洋医学が広まると同時に、お灸は衰退してしまいましたが、近年はそのよさが再認識され、お灸でセルフケアをする方が増えているそうです。
なかなか妊娠しない牛や豚に「味噌灸」をすることもあるというので驚きです。何かとつながりの深い「味噌とお灸」。
どちらも同じように、日本人の健康を支えてきてくれたものなのですね。

参考:『まるごと お灸百科』(著/岡田明三、発行/医道の日本社)