美腸になりたい人は、食物繊維たっぷりの味噌汁を!

便秘は女性に多いトラブルで、慢性的に悩んでいる人も多いのではないでしょうか? 私も昔は、数日間お通じがない、なんてことはざらで、便秘薬は必需品。
これが、痛くて辛くて…。
今思うと、無理に排泄させることは、体の負担になっていたのではと思います。

便秘予防の代名詞ともいえる成分といえば、「食物繊維」。
味噌汁の具を食物繊維の豊富な食材にすれば、”美腸味噌汁”として、便秘予防にも効果的です!
「食物繊維」は人の消化酵素で消化されず、小腸を通って大腸まで達する食品成分。水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」に大別できます。
食物繊維は、便の体積を増やす材料となるとともに、大腸内の腸内細菌に利用され、便秘予防をはじめとする整腸効果、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。

日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年代では1人あたり1日20gを超えていましたが、食生活の欧米化やライフスタイルの変化に伴い、近年の平均摂取量は12g前後と推定されています。
厚生労働省策定の食事摂取基準(2015年版)によれば、1日あたりの目標量は、18~69歳で男性20g、女性18gなので、ほとんどの日本人が不足気味とのこと。

味噌自体にも食物繊維は含まれますが、一般的な米味噌(淡色辛口)100gあたりの食物繊維は4.9g。
味噌汁一杯分にすると、それほど多くありませんが、食物繊維の豊富な食材を具にすれば、便秘解消に抜群の効果を発揮してくれるでしょう。
食物繊維は、豆類、野菜類、きのこ類、藻類などに多く含まれているので、とにかく具だくさんがおすすめ。
特にさつまいも、大根、かぼちゃ、ごぼう、ブロッコリー、モロヘイヤ、しいたけなどは、普通に食べる量(1食あたり)の中に食物繊維が2~3gも含まれているので、1日2、3杯の味噌汁で一日に必要な食物繊維の多くをカバーできてしまいます。

さらに、だしには食物繊維たっぷりの昆布を使うのがおすすめ。
粉末タイプの昆布であれば、まるごと栄養をいただけます。
また、だしを引いたあとのだしがらは、佃煮や煮ものなどに再利用してくださいね。

健康的な腸の状態をチェックするには、「一日に1回、規則的に排便があること」が一つの目安。排便量は一日に約150g(Mサイズの鶏卵約3個分)。
色は黄色から黄色がかった褐色で、柔らかいバナナ状が理想。
黒っぽい色で悪臭がある便は、腸内細菌のバランスが悪くなっている証拠です。
水分不足や冷えなども便秘の原因となるので、その点からも、味噌汁は効果的。満腹感も得られるので、肉類やおやつなどの量も自然と減らすことができます。
毎日の味噌汁が美腸への第一歩です。

 

参考
『カラー図解 栄養学の基本がわかる事典』(西東社)
『旬の野菜の栄養事典 最新版』(エクスナレッジ)
『みそ知り博士のQ"A50』(みそ健康づくり委員会)