梅の万能効果
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日本三大庭園のひとつである水戸の偕楽園。
水戸藩第九代藩主徳川斉昭の命令により、たくさんの梅が植えられました。その理由は弘道館公園内にある斉昭自筆の「種梅記碑」(しゅばいきひ)に刻まれています。種梅記碑には、梅の実は戦いのときの副食として役立つので、蓄えておくようにといった、梅の効用についても述べてあります。
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水戸市では記念樹として街のいたるところで梅が植えられていて、梅雨時にはぷっくりと大きく実る青梅の爽やかな香りが漂います。
梅は昔から“三毒(食べ物の毒・水の毒・血の毒)を絶つ” “朝夕1個食べれば医者いらず”などといわれるように、古くからその効能が認められています。
熟す前の青い梅のことを青梅といい、主に梅酒作りに適しています。梅酒は青梅を焼酎と砂糖に漬け込んだもので、暑気払いによいでしょう。
梅干し作りには、ほんのり赤く黄色に熟した梅を使います。
梅の実を塩漬けしたとき、梅から出た酸味の強い汁のことを梅酢(白梅酢)・赤しそと一緒につけた梅酢を赤梅酢といい、夏負け・寝冷えによる下痢止めの妙薬ともなります。私は梅酢が好きで、大根や赤かぶ・みょうがを漬けたり、寿司酢としても使います。
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梅の特徴である酸味の成分はクエン酸です。消化液の分泌を盛んにして糖質や脂肪酸の代謝を促し、疲労によってたまった乳酸を燃焼させてエネルギーに変える働きがあります。
これはクエン酸回路(TCAサイクル)といいますが、このサイクルが活発になることで、体内で大きなエネルギーが生み出されるとともに、疲労からの回復がスムーズになります。さらに梅干しはカルシウムや鉄分と結びついて体内に吸収しやすくする働きがあり、食中毒の原因であるО-157や黄色ブドウ球菌などの成長を抑えます。
梅と一緒に漬け込む赤しそにも防腐作用があるので、赤しそを乾燥させて作るゆかりも料理や弁当に幅広く利用したいものです。今年は猛暑であるとの予報が出されています。梅の実を身体のお守りとして、ご家庭で様々なシーンでお使いください。
夏場におすすめの簡単な夏バテ予防のおやつは、梅干し入り味噌焼きおにぎりです。
塩分が気になる方はコップに梅干しを2~3個と水を入れてみてください。一晩経つと塩分がかなり抜けるので安心してお使いいただけますよ。記:根本悦子