最古のおかず味噌!?「金山寺味噌」のルーツを探りに、和歌山県の興国寺へ!

最古のおかず味噌!?「金山寺味噌」のルーツを探りに、和歌山県の興国寺へ!

「金山寺味噌」のルーツを探りに、和歌山県の興国寺へ!

ごはんのお供やお酒の肴にぴったりな「おかず味噌」の代表格「金山寺味噌」。
「なめ味噌」の一種で、「径山寺味噌」とも書きます。
米・大豆・麦の穀物原料を麹にし、うり、なす、生姜、しそなどの野菜を漬け込んで熟成させてつくられる、栄養満点の味噌。
塩分は6~7%前後とマイルドな口当たりが特徴です。
現在は、主に和歌山、千葉、静岡などで生産されています。

金山寺味噌の起源は諸説ありますが、今から約750年前の鎌倉時代、和歌山県由良町の興国寺へ伝わったという説が有力です。
宋(今の中国)に渡った法燈国師が「金山寺味噌」の製法を学び、日本に持ち帰り伝えたとか。法燈国師は「興国寺」を建立した僧、覚心のこと。
その後、交通の便も良く、また水質が味噌や醤油の製造に適していた和歌山県 湯浅町やその他の地域で広まり、以来親しまれてきました。
また、和歌山県・高野山真言宗の開祖、空海が、遣唐使として入唐・勉学の折(835年)、唐の金山寺から持ち帰り、大勢の修行僧を養う「僧坊食」として用い、その後修行僧が各地に広めたという説もあります。

当時の金山寺味噌は、水分が多く製造の際に樽底に沈殿した液汁がたまりました。
それをすくい取って舐めてみるとこれが大変おいしく、やがて調味料として使われるようになります。これがまさに、醤油の起源であるといわれています。

金山寺味噌の日本発祥の地とされている興国寺に足を踏み入れた瞬間、不思議な感覚に見舞われたのは気のせいか…。 
今のようにモノが豊かでなかった時代、創意工夫を重ねながら、あるモノを有効活用していたに違いありません。
当時の人々がどのような思いで金山寺味噌をつくっていたのかと考えると感慨深いです。

金山寺味噌は、ほかほかのごはんやキュウリにはもちろん、本場の和歌山では、番茶やほうじ茶で炊いたお粥「茶粥」(おかいさん)に添えていただくのがお決まりです。

そのほか、金山寺味噌1:マヨネーズ1を和えるだけの「金山寺味噌マヨ」は、ディップやサラダにおすすめ。

ちょっと贅沢ですが、金山寺味噌でお肉を漬ければ、驚くほどジューシーで風味豊かな味わいに。焦げやすいのでじっくり弱火で焼いてください。
ごはんのお供だけではなく、いろいろなバリエーションで「金山寺味噌」を楽しんでくださいね。